都内に130店舗の自習室
東京には、都内だけで130店舗以上もの自習室がある。
東京に行った時に驚きました。
こんなにも自習室があるのかと。
初めはコワーキングスペースも含めてこの数があるのかと思いましたが、そうではない模様。
自習室だけで130店舗もあります。
今流行りのタピオカはどのくらいあるのかというと、
たったこれだけ。
いかに自習室が流行っているかがわかります。
でも、どうせ東京だけだろうと思いました。
で、調べて見たところ、
大阪 約120店舗
神奈川 約50店舗
東京だけではありませんでした。
他県ではまだそれほどではないものの、そうは言ってもひとつの県に20店舗ほどあります。
十分すぎるかもしれません。
では宮城はどうかというと、3店舗。
たったこれだけです。
不安や渇きが意欲を掻き立てる
なぜこれほどまでに東京の自習室が流行っているのか。
実際に東京に行き、自習室を回ってこの目で見てきました。
勉強と言えば、学生。自習室が活発なのは学生が多くいるからこそのものだろうとあたりをつけていきました。
ですが、実情はその逆。
自習室にいるのは、ほぼ大人ばかり。
スーツを着て、パソコンを広げているのかと思えば、宅建の参考書を広げて勉強している人。
ビジネスカジュアルな服装をして、なんだかキャリアウーマンぽいなという人も、分厚い、広辞苑の1.5増しほどある参考書を広げていました。経営している居酒屋さんで使うソムリエの勉強をしているんだとか。
ちらほらと学生もいますが、6、7割が大人の方々でした。
コワーキングスペースが流行るのはわかります。
今はフリーランスが増えていて、ビジネス的な出会いや仕事場を求めてコワーキングすることを望む人も多くいるでしょう。
でも、自習室にこんなにも大人がいるとは思いませんでした。。
何をしているのかと思えば、みなさんちゃんと勉強をしているのです。
仕事の昇級試験の勉強だったり、ビジネススクールの勉強だったり、資格の勉強だったり。
それぞれが自分の目標を持って、勉強に励んでいました。
自習室の中には、24時間やっているところもあり、社会人の方で26時まで勉強しているという方もいました。
運営の方に聞くと、だいたい混み始めるのは夕方以降。
社会人が仕事終わりに立ち寄って、2、3時間ほど勉強していくのがほとんどだそうです。
驚きとともに、少し焦りも。。。
自分も普段から本は読むほうだと思います。ほとんどが仕事で必要と思った本ですが、1冊通して読まなかった本も合わせれば、年間100冊は必ず超えています。そこそこ勉強している方だと思ってましたが。
東京で勉強している人たちを見て、まだまだだなと感じざるを得ませんでした。
みなさん、資格の取得や昇級のために、熱心に勉強していました。周りを気にするそぶりもなく、淡々と机に向かって参考書の問題を解いてました。
でも、なぜこんなにも大人が資格の勉強をしているのだろうか?
考えてみると、おそらく今の世の中の、先行きがわからない空気感が背景にあるように思えます。
終身雇用制度も破綻していて、この先自分のいる会社もどうなるのかわからない。
頼れるのは自分だけ。
「なら、いざという時のために、自分や家族が食べていけるように、自分自身のスキルを磨こう。」
「資格をとって、職に困らないようにしておこう。」
「社会的に認定されている資格を取って、ステップアップしよう!転職を有利に進めよう!」
こういった思考が背景にあるのではないかと感じます。
時代の流れとともに、個人が活躍する場面が多く見られるようになってきました。
でもそれは、逆に言えば、自己研鑽をしない個人は、時代とともにどんどんと置いていかれてしまうということです。(少々ネガティブな発想ですが。)
仙台にいる、一社会人がこのようなことを感じているということは、日本全体の逃れられない波、とさえ感じてしまいます。
こういった背景があり、東京や大阪をはじめとしたビジネス感度の高い大人は自己研鑽を日々していて、その勉強のために集中して勉強できる自習室を利用しているという実情でした。
自宅?カフェ?図書館?人それぞれだけど・・・
勉強する理由はわかったけど、自宅で勉強すればいいのでは?と思った方。
場所選びも自己投資、という考え方のようです。
勉強場所なんて、勉強できればどこでもいいですよね。正直。
極論、自宅で勉強できればそれに越したことはないです。
でも、できないんですよね。
私も大学受験の勉強では、自宅では勉強せずに塾で勉強していました。その方がはかどりました。
なにせ、家では勉強できない。
勉強机のすぐ横に漫画棚があって、漫画も数百冊あったし(ワンピースとか読み出したら伏線が気になって止まらない止まらない)、PSPのような小型ゲーム機もすぐに手に取れる位置にあったので、まあ、誘惑に負けてました。
「息抜きにちょっとだけ」の気持ちでやり始めたモンスターハンターは、討伐クエストが一回あたり10分そこらで終わるはずもなく、気づけば防具を作るのに必要な素材集めをしに、二つ目のクエスト、三つ目のクエストへと狩り出すのでした。(要は息抜きにやってたゲームがやめられず、2、3時間もやってましたと。)
そんな感じで、教訓として得たのは「自分を信じるな」です。
やる気出して勉強しようと思っても、2時間もすれば飽きてしまうので、否が応でも勉強しかできない環境に身をおくことに。
それで、塾の自習室に通っていました。
学生時代は塾に自習室があるので、便利でしたね。
ただ、一点難点があるとすれば、日曜日と月曜日がやっていなかったことです。塾が休みの日曜日は家で勉強するしか選択肢がなく、なかなかはかどらなかった記憶があります。
図書館で勉強することも考えてはみましたが、営業時間の終了も早いし、変な人がいっぱいきて集中できなかったのでやめました。(新聞読んでぶつぶつつぶやいているおじいちゃんとか、めっちゃ咳払いするおじいちゃんとか。)
あと、単純に席が空いてなかったことも。
図書館で勉強しようと思ってから1週間もしないうちに断念した記憶があります。
学生時代は塾の自習室があったので、なんとかなりましたが、大人になると同じようにはいきませんよね。
なかなか勉強する場所がない。
カフェにしても、回転率を考えるお店側からすると、長居されることほど迷惑なものはないです。
店員さんの目が気になって、勉強に集中できません。
とまあ、こういった事情から、東京の自習室が流行るのもなんとなくわかるな、と。
本当に勉強に集中したい人にとっては自習室は最高の環境ですから。
静かにただひたすら勉強に打ち込める。
センター試験の会場のような静けさで、周りの人の黙々と勉強する姿に影響されながら、緊張感を持って勉強に取り組めます。
何かが足りない人は、「自分磨き」を欲している
なぜ、東京や大阪の自習室が流行っているかをまとめると、
- 先行きのわからない世の中だからこそ、自分自身を磨かなければいけない
- 自己実現のために、資格やスキルアップを考える人が多数いる
- どうせやるならよりよい環境で、効率的に、確実に目標を達成する
以上のようなことから、自習室を利用するようです。
今、「何かが物足りない」という方は、目標に向かって努力する時間が欠けているのかもしれません。
マズローの五大欲求的で言えば、今、多くの人の「尊厳欲求」や「自己実現欲求」が満たされていない現実が浮き彫りになってきているのかもしれません。
今一度、「自分の将来の姿について考えて、日々努力する必要があるな。」と意識高く思った東京視察でした。
自習室を利用している人たちだけが知っているメリットも改めて知っておくと、今後の勉強時間をより集中して過ごせると思のでぜひどうぞ。